仕事人の心得

 フリーランスは信用第一。


 エンジニアにとっての受託業務とは、「技術を切り売りする仕事」である。仕様決定に関われれば、責任が取れる範囲で自分の好きなことが結構できる。そして案件毎に解決すべき課題が変わってくるので、いろんなシステムや技術に関われる機会が多い。また多数の案件を安定的にこなすために、生産効率の向上やリスク低減のために生産技術にも通暁する必要があったりして結構、楽しいものがある。

 ただし、発注者はあくまでスポンサーであるお客なので、その人たちのコミット具合であったり、技術リテラシーによっても案件の進め方が変わってしまったりと、外部要因による仕事の進め方の変動がかなり大きいのが特徴である。プロであれば、発注者のニーズとコストから逸脱したものを作るのは間違いなので、基本的には製品の完成度は担当者の熱意や能力に大きく依存する。もし、納入する製品を良いものにしようとすれば、いかに発注者とうまくやっていくかにかかっているので、施策提案などをやっていき、予算を取ってきてもらうぐらいのコンサル的な関係を作ることができれば良いのだが、残念ながら受託業務をビジネスとして回して行く以上は、多数の新規案件と継続案件のバランスを取って行くことが必要であり、外注の担当レベルとしてはいつまでも同じ客と関わり続けることができないケースが往々にしてある。瞬発力があって、器用な人ほど、いろんなところを表層的に関わって行かざるを得なかったりするので、いわゆる器用貧乏の道を辿ることが多い。

 この部分に自分の仕事としてのメリットを見出すことができないと、途端に仕事がつまらなくなってしまう。そのため、自分がやっていることがビジネス面でのメリットにつながるための数値目標を立てて、それを前提に施策を考えることで、自分の仕事の目的を明確化している。たまに現場が懐かしくなることは正直言ってある。新卒の製造業にいたときから受注ベースで製品カスタマイズや信頼性試験などを担当してきた試験評価のエンジニアだったから、いつも刺激的かつリスキーな研究開発の仕事にコミットしていくことで、パートナーと連携して、自分の能力の範囲を超えた仕事に、しかも比較的手離れよく関われたからだ。

 …やっていて楽しくなければ仕事じゃないからね。

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