海を往く者

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zoom RSS 船舶通信と舶用電気と情報基礎

<<   作成日時 : 2012/06/02 00:42   >>

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 計測屋の基礎中の基礎。


 少々ややこしいのだが、海洋環境分野に来る前に船舶通信士をしていた関係で船舶通信&舶用電気が専門ということになっている。だが、小生の学生時代の航海士や機関士は船舶通信をそれほど深く学んでいるわけではないので、とっかかりとして舶用電気から学びだすことが多い。なぜなら電気はエネルギーであり、それと同時にそれを用いた機器類によって成り立っている。だから電気理論だけ理解しても実務にはほとんど役に立たないし、電気によって受動的に動いている機器類も面倒を見なければならないので、必然的に付帯設備や機器類の保守運用、果ては書類申請などの事務作業まで含まれてしまう。そうすると「知識は強電、実務は弱電」という人間が出来上がってしまう。実はこの手合いが一番苦手だ。造船屋の電装屋の場合にはパズルピースをはめていくがのごとく仕事を進めていくのだが、乗船したことがない人間だと現場を知らないので機器配置をこともあろうに潮風に吹かれる場所に設置してはあっという間に塩害で腐食してもげたり、基板が損傷して総取替えする羽目になる。どうしてそういう配置にしたのか聞いても頓珍漢な答えしか返ってこない。逆に船員の側の場合、前の船や類似の機械と同様に取り扱ってしまうため、片っ端から機器を壊しては「なぜこんな簡単に壊れるんだ」などと言い出す。どう見ても明らかに使い方が悪いのだが、「現場の知見」の悪い癖で自分に有利な情報しか得ようとしないため、故障原因が特定できないことがある。かような現場馬鹿にはなりたくないものだ。

 それに関連して研究の話。船上でプランクトンネットによる採集を行ってから、その後に実験室で顕微鏡観察を行うのだが、海中にはカイアシ類や甲殻類、多毛類や棘皮動物の幼生など様々な生物が存在する。それを大きな分類群ごとに計数して、密度を算出するのだが、顕微鏡を長時間使用するので目が疲れる上に、泡やゴミ、他の藻類など、計数してはいけないのに似ているために間違えやすいものが多々あるので、相当な慣れが必要である。他にも濾過をして栄養塩濃度測定、採水CTDとpH、DO(溶存酸素)、SS(懸濁物)、透明度、船上分光放射計による測定をして、これに水温、気温、風力など外乱要素を入れてデータセットを構築する必要があるが、時折明らかに数値がおかしいことがある。たとえば東京都区部の場合、雨が降ると下水処理施設の能力を超えた汚水が流入するため、第一沈殿池だけ処理してから簡易放流してしまうので、河川や東京湾の水質が思い切り悪化することはあるし、衛星リモートセンシングデータと観測船データとの比較検証による富栄養化をモニタリングすることの限界があるのは認めるが、そういうレベルの話ではなく、どうもただ単に海水温度と塩分濃度の季節変動特性を考慮に入れていないだけのようだ。どうして確認しないのかと担当者にもう一度取得した観測データの洗い直しを命じる(「もう一度取り直せ」と言わないだけありがたいと思いなせぇ)。

 ・・・だからありとあらゆる方面に長けていないと役立たず扱いされ、出来ていたら出来ていたでそれを上手に使われて、何でも屋にさせられてしまう。

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