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zoom RSS JR北海道の車両火災に思うこと

<<   作成日時 : 2011/06/06 06:14   >>

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 車掌・運転士のみの責任ではない。


 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110530-00000016-mailo-hok

 北陸トンネル事故の教訓から、火災実験を繰り返し、火災が起きてもすぐに走行不能になることはないと実証できたので、トンネルでの火災の場合は、「直ちに停車」から「煙の被害&類焼を避けるため、トンネルを走り抜けろ」というルールが国鉄時代に定められて列車火災発生時は退避の困難なトンネル・橋梁を避けて走り抜けた後速やかに停止させると実施基準規程にある。車掌・運転士間で打ち合わせて運転を継続し、トンネル外に脱出するのが本来の取扱いである。その他の異常時は、直ちに停止させ運転士や車掌が確認することになっている。しかし、当時の火災は食堂車とか寝台車の毛布などの発火物からの火災を想定しており、床下の走行機器から火災が発生するという認識は薄い上、脱線と火災が同時に発生するということは想定していない。火災&脱線という、まさにマニュアルの「想定外」だった可能性がある。

今回の場合、

・トンネル手前2キロでの痕跡は火災でも脱線でもなく「部品の脱落」。
・脱落当初は煙など出ていなかった。
・トンネルの手前数百で脱線。車掌は異音に気が付き運転士に停止させる。
・停止した場所はトンネル内。この時点では異音の状況と思っていたので火災の認識はない。電気系統は全てダウン。
・煙が発生充満してきたので、当初前方への誘導開始。
・車掌(60歳)は出口の状況を見てくると言って車両を離れる。
・電気系統復旧の為に運転士も車外。
・煙充満のため、乗客の自主避難開始。車掌は戻らず、運転士は最後尾で避難と乗客証言。

 以上のことから車掌・運転士は「異音発生に伴う緊急停止」と理解しており、火災発生であるとは認識していない。憶測による状況判断は二次災害を招くからだ。夜間の遅い時間帯で、トンネル内ということもあり、すぐに車外へ避難誘導しなかったのは仕方ない面もある。現場も混乱していたと思う。JRの場合、事故発生の際には運転指令と連絡を必ずとるので、乗客を線路上に降ろすために様々な連絡や許可を取り続けた結果、遅くなったと思われる。ただドアを開けて「逃げてください」では無責任になる。各所に連絡なく乗客を線路上に降ろして、反対側の列車に轢かれたり、橋梁上から落ちたりするなどの事故があっては、それはそれで責任が問われるからだ。だから現場は避難させるべきと思っても、運転指令室がOKをださなければ無理な話だ。今回のような事故が起こった際にどのような行動をすべきかのマニュアルの内容がまず問題になる。
 
 ただ、運転士はその路線のプロでキロポストを確認すれば、車掌が確認に行かなくても、停止している場所がトンネル内のどの位置かは分ったはずだ。また、同線は全線単線区間で対向車両の接近の心配はない。非常時は運転指令への列車抑止手配を省略しても乗客の安全は確保できる。異音感知ということで当然運転士が車外で車両の確認を行っていたのだから、なぜ火災を認識していない車掌が列車を離れてしまったのかが理解できない。規則では緊急時を除き、運転指令の了解がなければどちらか一方は連絡が取れる場所で待機することになっている。だが乗務員からJR運転指令に火災発生の一報が入ったのは、停止後2時間経ってからとある。車両からの避難完了後も、乗客は熊が出るような山奥に救援のあてもなくいたことになる。しかもこの時期の北海道の夜は気温が一桁台である。

 脱出まで1時間30分かかったというが、車内に煙が充満したのがどの時点だったのかは正確にはわからないが、少なくとも1〜3号車の乗客を4〜6号車へ車掌が誘導した事実から、車掌が通常起こる異常とは違うと認識していたのは間違いないだろう。煙は確認しているのに、乗務員がそれを最後まで火災と認識出来なかったという判断ミスと、「車外の安全が確認されるまで、乗客を降ろしてはいけない」というマニュアルに忠実すぎたことが事を大きくしてしまった。結局は車掌も運転手も、火災という認識がないまま、乗客に避難指示をしなかった。そして、乗客が自主的に非常用ドアコックを操作して線路上に降りて歩いて外に避難したとある。通常、乗務員の指示なしでドアコックを勝手に操作して線路に降りると、鉄道営業法に抵触するが、この場合は「乗務員は乗客の安全を守る義務があるのになされてない」ので問題とはならない。けが人だけで済んで本当に不幸中の幸いだ。

 今回の事故があった石勝線は札幌と帯広や釧路を結ぶ事実上唯一と言っていい公共交通機関である(この区間の移動は、冬は峠の猛吹雪などで危険を伴うから、高速バスも飛行機もないので、乗りたくなくても,利用せざるを得ない。JR北海道は命綱といっても良い存在)。JR北海道の特急列車は、運転手1名・車掌1名。これだけ。車掌は車内検札にも対応している。他には、車内販売やグリーンアテンダント対応の女性が2名。女性に関しては、JR東日本でいえばNREである。列車非常時の対応は無理な相談。首都圏の通勤電車は8〜10両編成であることが多いが、これに対して乗務員は運転士と車掌の2人だけ、つくばエクスプレス、都営三田線、東京メトロ南北線、丸ノ内線,東急目黒線、池上線などはワンマン運転。ゆりかもめにいたっては、なんと無人運転。もちろん地方のローカル線では,ワンマン運転が当たり前だ。

 要は、どこも多かれ少なかれオーバーワークだ。どこまで人を減らせば気が済むのだろうか?技術の進歩や安全管理のマニュアル化によって、事故の総数は減ったとしても本質的な『なにか』を理解できる社員教育・育成が出来なければ重大事故は防げない。JR北海道のみならず他社も対岸の火事と軽視せずに、列車を運行させる事=大勢の乗客の命を預かる事と十分認識して対応していたのかどうか、事故原因を解明するに連れて車両保守が適切であったのかどうか、今後の幹部の言動によってはその体質が鮮明に出てくるということを自覚すべきだろう。結局は乗務員の資質というよりも安全に対する会社全体の体質が問題なのだが。乗務員の責任だけに終わらせてはならない。なぜ車掌・運転士は火災を認識出来なかったのかがとても気になる。以前スーパー北斗としてデビューしたばかりのキハ281系に乗った事があってあの当時は、札幌から函館間で途中停車駅は東室蘭だけで2時間59分で、確かにディーゼル車にしては速かったけど、なんか無理しているのかな?なんて感もあった。

 ディーゼル車の推進軸の点検も良いけど、ディーゼル車(特急型車両)による振り子制御の車両自体を廃止した方が良いんじゃないか?北海道の283系の場合は、振り子車両という、傾斜走行中の部品類固定弛緩による老朽化脱落も考えられるけど、基本的にはエンジン出力性能の無理が祟った可能性がある。スピードアップを図るのも良いけど所詮はディーゼル車、電車にはやはりかなわないわけだし、そもそも日本の鉄道気動車開発の歴史自体が、エンジンの出力設計要求に対する、ギリギリのラインを攻めた車両が多いから、ギリギリまで行って崖から転落しているという感は否めない。JR東日本小海線のハイブリッド気動車は、確かに間違いないけど、長距離特急列車汎用にという、プロトタイプ化するには、まだまだ早いし難しい。運用コストやメンテナンスの共通汎用面を考えると、まだまだ液体式気動車の優位は、暫くは動かないところ。類似の事故が過去に発生していたが、同じ構造の車両を持つJR四国での事例がなければ、JR北海道側の整備不良の可能性が高いが各車両共にエンジンやトルクコンバーターの種類や振り子機能の有無などバラバラなんだから各社に緊急点検させるする意味はあまりない。
 
・・・本当に最近の日本人のモラルの低下は目に余る。

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