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zoom RSS 海洋関連の会合60

<<   作成日時 : 2010/12/28 06:00   >>

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 ちょっとこれは・・・


 http://www.icrwhale.org/02-G.htm

 海洋大品川に向かう。北大のS先生が会長の水産海洋学会のシンポジウムが開催されているからだ。テーマは「鯨類を中心とした北西太平洋の海洋生態系」であるという。調査捕鯨の成果が学会の大会シンポジウムのテーマとなったのは、これが始めてだろう。調査捕鯨というかなりセンシティブな話題が公開の形で世に問われるのはこれはこれで喜ばしい。出揃った面子は、日鯨研、遠水研、海洋大、北大院水産の研究者連中。今回の主要テーマである北西太平洋第二期鯨類捕獲調査(JARPNII)は、生態系モデルの構築と鯨類と漁業との競合だと発表されている。JARPNIIの目的は、

 a)摂餌生態および生態系調査(鯨類による餌生物の捕食、鯨類の餌の嗜好、生態系モデル構築)、
 b)鯨類および海洋環境における環境汚染物質のモニタリング(鯨類における汚染物質蓄積のパターン、食物連鎖による汚染物質の蓄積過程、汚染化学物質と鯨類の健康との関連)、
 c)大型鯨類(ミンククジラ、ニタリクジラ、イワシクジラおよびマッコウクジラ)の系群構造を解明すること。

 である。だが、これにはなぜか気候変動関連が含まれていない。中央水研のようなFRA-JCOPEのような海況予測モデルにしても良いと思うのだが、なぜか存在しない。鯨類やその餌となる魚類にとって海水温の変化や海流の変化は産卵域や回遊行動など水産資源の変動に大きな影響を与えると思うのだが、それにもなぜか触れられていない。しかも大型鯨類の系群構造を解明する以上、調査は必須とされているが、今回の発表では、調査種のひとつであり、最も大型で個体数も多いマッコウクジラにはなぜか触れず、もっぱらヒゲクジラ(ミンク、イワシ、ニタリ)調査の発表がメインである。生き物の生態解明を人の作った区切りの中だけで処理してしまうというのは研究としてはいささか怠惰すぎるのではないか。

 http://fj.dc.affrc.go.jp/fra-jcope/index.html

 摂餌生態は研究の名におよそ値しない。いくら調査海域と日数が限られているとはいえ、目視調査の結果発表については資源量は不明(分布量という言葉を用いている)、資源評価には使ってはならないという報告。これでは何のために調査したのかさっぱり判らない。個別に餌を食べているのか、集団で纏まって捕食するのか、また海水面か、中層か、海底まで行って食べるのかという採餌に関しての基本的な疑問にすら満足に答えられていない。極めつけは沿岸域ではスケトウダラやカタクチイワシを選び、沖合で採餌する成熟個体がサンマを好むという嗜好性が見られたというが、日和見ではないとしてもその場で一番遭遇確率の高い魚を餌の対象にしているはずで、その中で沿岸域と沖合ではなぜどのように異なるのかという考察が全く無い。

 モニタリングと生態系モデルはエコシム付エコパス(Ecopath with Ecosim, EwE)と呼ばれていて、主にエコシムとエコスペースの実行のパラメータを得る方法として複合型漁業管理システムに使われている。イワシクジラ、ニタリクジラの生物量の4%を捕獲し続けた場合、仮定した機能的反応にかかわらず、カタクチイワシ、カツオ、サバ類の漁獲が増加するかもしれないし、ミンク、イワシ及びニタリクジラの生物量の4%を捕獲した場合、利用している魚類のほとんど(例えば、カタクチイワシ、カツオ、サバ類)の漁獲が増加することが期待されるとあるが、この発表をした北大のD論学生に対して会場から「結果を導き出すためにシミュレーションを急ぎすぎている」という指摘を受けているようではとてもGPやWWFの指摘を掻い潜れまい。モニタリングはPCB及び農薬類と水銀だけでしかも限られたサンプルでの不十分なものしかない。せめて海防法の海洋投入処分の検査項目ぐらいやって欲しい。

 ・・・何より悩ましいのは会場での疑問や質問が普通の感覚を持った研究者によって発せられているのにそれに満足に答えられないという点。

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