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zoom RSS ブレア氏自伝を読んで思ったこと

<<   作成日時 : 2010/10/13 00:28   >>

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 賛同はしないが理解はする。


 http://www.tonyblairoffice.org/news/entry/tony-blairs-memoir-the-journey-to-published-in-september/

 個人の道義的責任としては良くないかも知れないが、国家のトップの言葉としては悪くない。本国の政治家は第一線を退くと自伝を書くことが多い。しかも、まだ生きている人の暗部をえぐるようなことも平気で書いてしまう。批判する人間はブッシュ氏を批判するのは簡単だが、ブレア氏を批判するのはそう簡単ではないことをきちんと歴史からわきまえておくべきだ。慶大出版会から刊行されている細谷雄一氏の『倫理的な戦争』(2009)という本がある。そこではブレア氏がいかに冷戦後の「人道的な」「正しい」戦争のあり方を模索する上で苦労してきたかが描かれている。ブレア氏の姿勢はコソボでは世界で最も尊敬される指導者と熱狂的な賞賛を浴びた。しかしイラクでは度重なる失政により致命的な失敗と叩かれてしまった。だがブレア氏にとってはどちらも同じ「正しい戦争」だったのだ。何がブレア氏の思想面での原動力だったのか?ここに過程と結果が結びつかない歴史の評価の難しさがある。オバマ大統領をブッシュ氏とは違う人間と考える傾向も根強い。しかしそのオバマ大統領がアフガンでの戦いを「正しい戦争」と断言して憚らないことの意味をよく考えてみるべきだ。「正しい戦争」など存在しない、という単細胞的な発想は国際社会では通用しない。何が「正しい戦争」であり、何が「間違った戦争」であるのか。これに答えるのはよほど知的な安全保障論に長けた論者でないと不可能だ。

 しかし、2003年3月、イラク開戦直前に議会採決をする前に行われた、ブレア氏の「今こそ行動を起こすべきだ、英国がリードするべきだ」という、非常に感動的なスピーチは誰が聞いても心が熱くなるほどだった。今から考えると、舞台劇の名場面の1つのような感じも受けた。(=この時の様子が今でもちらっと放送される)戦争の前に議会で参戦すべきかどうかを採決にかける、というのもこれが初めてだった。かように本国の政治とは極めて現実的な存在でありながら、決して現実に盲従することはない。労働党にせよ保守党にせよ自民党にせよ、そこには真の保守主義が草の根となって生きている。どんな重大な機密事項であっても、遅かれ早かれ必ず議会によって綿密に査定され、問題があればその時の当事者は追及される。かように本国では議会制民主主義が徹底しているのである。他方、日本の政治はあくまで自称保守であって、変わることを全否定しているが、彼らは単なる復古主義者に過ぎない。なぜなら現実を追認することが絶対正義とされてしまい、体制の変化を望めばすぐに夢想家扱いされるからだ。現実に即しない理想ほど危険なものはないが、理想のない現実もまた人を幸せにすることはない。日本政治は英国政治を幕末以来ずっと手本にしてきたが、未だにその核心を学べずにいるようだ。

 ・・・北アイルランドの和平合意達成が自他共に認める最大の功績だろう。





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