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<<   作成日時 : 2010/06/20 06:00   >>

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なんで強行するかね?


 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100618-00001284-yom-soci

 引率教師の結果責任は大きいと思うが、普段から湖水の状況を熟知しているはずの施設管理者である青年の家の指導員の事故責任もかなり大きい。ボートを出す判断もそうだし、手漕ぎボートを曳航する途中で横波を受けて転覆している点もそうだ。県青年の家は利用者が多く、浜名湖でのカッター演習は、地元の色々な学校が行っていて何十年も続いている物である。犠牲者の子の親の世代でも演習をした人は少なくない。教員と施設の指導員と話し合って演習決行を決めているが、何十年も演習をしていて資格を持っているプロの指導員が「出ても良い」みたいな意見を言った時に、海に関して素人の教員が反対意見を唱えて中止を決定するのは極めて難しいと思う。「警報」ならともかく「注意報」なら言われるほど問題ではないし、予報はエリア別なので場所によっては「それぞれの土地で、経験則的にOK」がありうるので、現場の判断で決行するか中止するか微妙なところ(=週間予報ではしばらく雨が続くとあるので「延期しても状況が変わらないのならやってしまおう」という判断に至った可能性は否定できない)だからだ。午後、一瞬天気が和らいだ時間帯もあるので、なおさらだろう。

 しかし風雨のある波の高い最中にボート訓練をするとは何事かと思う。しかもボート四隻に対して職員は三人しかいなく、転覆したボートには職員はいなかったという。そのため荒れた湖面から帰還する手立てがなく、他の三隻が波の荒い岸辺に近づかず救助を待って転覆することはなかったが、職員のいない一隻が岸辺へ向かい転覆した。ボートは全員が座って姿勢を低くしていればそれほど簡単に転覆するものではない。しかしパニックになって立ち上がれば重心が高くなり波がなくてもひっくり返るものだ。浜名湖は湖内でも潮の流れは速いし、海と同様に波も高く、三ケ日付近は山からの風が吹き荒れる。しかも当日は梅雨前線のすぐ近くで南側の気圧傾度も大きいので南の突風、そして雷も予想され、極めて危険なケースである。もちろん最終決定権は学校側にあるが、資格と豊富な経験を持っている施設側の責任が大きい事は明らかだ。「馴れ合い」や「慣例化」などで事態を甘く考えすぎていたのではなかろうか?実際にそれを示唆するような発言がある。

 >青年の家の檀野清司所長(52)は取材に対し「風は東風4メートルで問題ないと判断した」と説明した。職員は「風は最初は弱かったが、やがて強くなった。あの船は横波に弱いので原因は風だと思う」と話した。

 まるで他人事のような論評である。荒天時にモーターボートで曳航してすぐに転覆させた「ボートの専門家」といい、「今後の天候の変化」を考えないこの所長といい、お役所仕事のド素人集団ではないのだろうか?不思議でしょうがないのは、青年の家の指導員(専門家)3人と教諭(素人)5人がいて、4隻のボートに2人ずつ乗り込む、というケースなのに、なぜ(指導員1+教諭1)×4という組み合わせにはしなかったのかという点である。転覆したボートに乗っていたのは教諭2人で、無線で指示を受けながら指導していたらしい。

 船酔いのSOSを受けて「救援に行って曳航していた船が転覆してしまっている」点も問題である。救助した曳航船の側が岸へ急ぐあまり、誤って横波をくらう方向にボートを引っ張っていってしまい、そのため、犠牲者が転覆するボートに、巻き込まれた形になった可能性がある。落水したとしても救命胴衣をつけているから、大丈夫だろうという慢心があったのではないか?湖面に放り出されていれば、確かに救命胴衣の着用効果が得られるのだが、残念ながらボートに巻き込まれた形になれば、救命胴衣も役に立たない。亡くなった女子中学生は転覆したボートの中にいたという。救命胴衣を着けていると沈むことはないが、同時に一番危険なのは沈まないことだ。転覆した折に頭からすっぽりとボートの下になると、救命胴衣を脱がない限り脱出することはできない。呼吸するのに十分な空気空間があれば良いが、カッターはそのようにできておらず、救命胴衣がかえって仇になってしまった。船員経験者でも、咄嗟の判断での、自力の脱出も難しいというのに、初心者の、ましてや12歳の子供なら、どうにもならないと思う。よくぞ犠牲者が一人で済んだものだと思う。カッターには最初から水が入り、少し傾いていたという。なぜカッターからモーターボートに生徒を移さなかったのか?これはおそらく、「21名を全員移乗させるには時間がかかり、むしろ危険と判断してそのまま曳航することにした」あたりが理由だろうか。下記に想定されうるミスの可能性を挙げてみる。

 1.大雨強風注意報を無視して強行した
 2.指導員が転覆したボートに乗っていなかった。
 3.ボートの速力およびえい航方法(ロープの長さなど)に問題があった
 4.曳航船に生徒を移乗させなかった
 5.転覆後、人員点呼をしなかった
 6.時間がかかりすぎた

 指定管理者制度によりこの4月から民間会社が管理者となり、県の職員は一人もいなかったようだ。青年の家は教育機関の一環であり、自然環境教育の拠点施設だ。そこに教育主事の一人もいなかったのはなぜだろうか。自然環境の専門知識、たとえば昆虫だとか植物だとか、そうしたものを自然と触れ合いながら中学生などに興味を持ってもらって教える施設だ。ボート訓練も専門家がいなければ危険な水遊びに過ぎない。貴重な女子中学生の命が奪われたのは危機管理のできていなかった会社や県や中学などの生徒とかかわったすべての人たちの共同責任である。安易な行事への取り組みはロクなことにならないと肝に銘じなければならない。

 …船乗りならば「船長たるもの、荒海に出航するのも勇気だが、出航しないのも勇気だ」と、判断の厳しさと心構えを教えられるのだが。

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