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魚に魚を食べさせるべからず。 1960年代に近隣国との領海問題やEEZ設定による水産資源の確保および遠洋漁業継続への危機感が広まった。これを受けて日本国内では水産資源の安定供給を図るため、沿岸漁業において、「獲る漁業から作り育てる漁業へ」とパラダイムシフトを行った。それにより、海面養殖業は絶え間ない研究開発と生産量の向上により重要な代替食糧の生産手段として位置づけられてきた。それと同時に不本意ながら上記の理由+乱獲行為により漁獲量が著しく減少しつつあった沿岸漁業の救済策としての産業育成効果も期待されたからである。 海面養殖業の比率を見ると、1.のり類、2.ホタテ、3.魚類、という構成になっている。だがこの内、3.魚類で一番多いブリ養殖を見ると給餌を100%とした場合、わずか21%しか養殖の役には立っていない。残り79%は糞や尿、残餌により、海底を汚染し、富栄養化(=窒素やリンの増加)による赤潮や魚病などが発生し、養殖魚の水中酸素の消費による低酸素化(=二酸化炭素の増加)とも相まって魚の大量死など海洋環境に多大な悪影響を与え続けてきた。なぜならば、養殖魚類に生餌または配合飼料を供給しなければならないが、水産庁の統計によれば常に投餌量が生産量を上回っている(=養殖中の衝突死による減少や餌料転換効率が悪いから)。これでは海洋環境に影響が無い方がどうかしている。 このため、鹿児島県の東町漁協では魚類と海藻類との複合養殖によるエコ養殖を推奨して実証実験を行っている。だが、海藻はそれ単体では浄化能力と商品価値が総じて低く、その割には環境負荷削減の効果を期待するためには、養殖対象魚種の5倍から10倍もの売れもしない海藻を養殖しなくてはならない。そのためには広大な海域が必要となり、これでは漁業者の負担が増すばかりである。1999年に適正な給餌量、養殖密度などが規定された「持続的養殖生産確保法」が施行されたが、売れる魚だけを養殖したい漁業者の前には法の理念やエコ養殖は甚だ無力である。 陸上養殖の場合には漁業権の取得は不要であり、漁協に所属する必要も無い(=海域の場合には漁業権取得のために漁協の正規組合員であることが必要)。そのため民間事業者が比較的参入しやすいが、新規施設の取得・建設に伴うイニシャルコスト(=土地、水資源、工場プラント等)、操業後の電気代(=水温は一定、循環ろ過ポンプを24時間稼動)などのランニングコストを考えるとトラフグ、ヒラメ、アワビ、クルマエビなどの小型高級魚貝類しかコスト対効果には見合わない。労働生産性としてはかなり低い産業になってしまう。しかも水質の徹底管理(=疾病は少なく、歩留まりは高く)がなされ、環境負荷は低くなくてはならない。ことほど左様に工場型養殖業の限界を現しているのではないか。 これらの養殖システムの最大の問題点は環境保全と採算性のバランスを確実に取らなくては事業として到底成り立たないのに、その制御ダイナミックレンジがものすごく狭いという点に尽きる。魚類・海藻等を複合的に養殖しながら、負荷量を削減し、生産コストの削減も行わなくてはならない。このように環境負荷だけではなく、養殖の生産・収穫(成長・死亡含む)までをトータルに見ていかなくてはならないが、陸上養殖と沿岸養殖はもうこの時点ですでに事業として破綻していると言わざるを得ない。魚介類の養殖技術そのものはすでに確立されているのだから、沿岸域でも環境影響が飛躍的に改善される新技術開発がなされるまでの間は環境影響の低い沖合にて養殖を行うべきである。 …事業には経済性評価が必要なんだけどね。 |
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はじめまして。 |
CatShitOne 2010/03/05 18:57 |
CatShitOne氏、コメントありがとうございます。 |
Flagship 2010/03/14 09:32 |
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