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zoom RSS 離島問題と領有権

<<   作成日時 : 2010/01/25 01:46   >>

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 お金のなる島は常に危機と隣り合わせ。

 先日「International Seminar on Islands and Oceans」(島と海に関する国際セミナー)が開催された。1994年に発効した国連海洋法条約の下で、各国は、沿岸200カイリに及ぶ海域の資源や環境を管理するようになっている。ところが本国のように海外領土を有する国家や日本やフィリピン、インドネシアのように多くの島々が国土の一部を形成している多群島国家、太平洋等の広大な海に浮かぶ島に依拠する小さな島しょ国家にとって、それを具体的に実施していく上でさらに検討を要する課題として浮上してきたのが、200カイリの排他的経済水域(EEZ)を有することになった島々およびその周辺海域の管理の問題である。

 国連海洋法条約やアジェンダ21においては、小島しょ国の経済的・技術的能力などを念頭において、大洋上の小島しょからなるSIDS(小島しょ発展途上国)の取り組みに対して国際社会が支援する国際的な協力の枠組みを定めているが、それだけでは、島とその周辺海域との関係、島の役割、島を拠点とした周辺海域の統合管理および持続可能な開発のあり方などが、十分に明らかにされているとは必ずしも言えず、不明確な点が多々見られる。特に、大洋上の島の多くは、地球規模の気候変動の影響により、作物に対する塩害、異常気象の発生、洪水・浸水等の被害、島の生活基盤でもあるサンゴ礁への被害、さらには、海面上昇により島そのものが水没し消失するおそれがあるなどの深刻な問題に直面している。

 そのため、本土から遠く離れていたり、他国と領有権で揉めていたりするような離島においては、自国の領有権を主張するための根拠として海洋保護区(MPA)の設定(世界遺産条約の下で「海洋世界遺産」の指定も可)や海洋観測施設の設置、島周辺の海洋調査の実施と海底の地名を明記した海図の発行(だから先年竹島問題で測量船を出そうとした)がなされることが多い。他にも、灯台やロランなどの航法援助施設(ブイではダメ)、桟橋・滑走路の設置などが挙げられる(海底資源関連は島と連動しない可能性があるので、あまり用いられない)。なぜここまでして確保する必要があるのかというと、島しょ国における海域面積の半分以上は実は離島周辺のEEZが稼ぎ出しているからだ。また日本では海洋基本法が基本的施策として取り上げている「排他的経済水域等の開発・利用・保全等」「離島の保全等」「国際的な連携の確保及び国際協力の推進」などの各施策を推進するためにも必要である。

 ところが海洋基本法には国際的な文脈で解釈・実施するという視点がなぜか欠落している。これは他の基本法にも見られるように、理念法である基本法と実定法である他の業務法や関連する法律などとの関係が判然としない(=基本法において適用する法律を指定していない)ことにあるのだろう。そのため実務面では、裁判所・警察・税務署などの公的機関の管轄区域としての公示(その上で当該島しょに法的に土地の所有(土地登記)があれば、所有者が実際に住んでいるのが埼玉県や長野県であっても別に構わない)、上陸しての司法警察活動(国内法にもとづく自国司法管轄権の適用範囲内=尖閣諸島のように海保や沖縄県警が出張って来られるような状態)や外国人に対する上陸許可の実績(入管手続きの存在)、民間施設の建築許可(振興させるべき経済共同体の存在)といった「自国法による実効支配」が国際司法裁判所における自国領土を主張する際に有力な証拠として採用される。

 …2月のCOP10関連の学術会合で水産庁が「業務多忙につき」と出席を辞退した由。アホか。水産庁が逃げたのが丸見えだろうに。

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