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zoom RSS 水族館と海洋教育

<<   作成日時 : 2009/12/15 00:09   >>

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 実物展示だけに固執する必然性はさらさら無いんじゃないの?

 先日、「水族館における水生生物研究と教育〜現状と課題」として海洋研でシンポジウムが開催された。1回目が「研究」、2回目が「環境」と来たので、「では3回目は「教育」である」という話になったらしい。さすがはS先生である。この調子で論文も書いていればとうに教授になっていたというのに…。

 さて、水族館も例に漏れないのだが、ここでも悪しき成果主義が幅を利かせており、「年間の入館者数」で評価され、「展示の質」では全く評価されていない。この状況下で無理に差別化を図ろうとすると、特別展がウケ狙いの本来の活動目的から外れた代物になったり、水族館にはあるまじき「釣り」、「調理」などが行われたりするようになる。

 個別の発表例は評価されるべきものだが、どれも他所に転用しようとすると地域性の違いや万事に受動的な教員(特に管理職)のおかげで全く話が先に進まない。「学習指導要領に書いてある」のにも関わらずである。また水族館の側も「展示・飼育」が最優先で、「教育普及活動」には専従者がいないこともあって、とても疎かになっている。仮にあったとしても熱意のある人間が「体験活動」を重視するあまり、学校側が望んでいないのではないかと思われる「支援」をしている案件がいくつか目に付いた。

 例えば小6の単元にある「体のつくり」で、魚の解剖実習があるが、現状では単に、「解剖のための解剖」であって、「人間と海との関わり」のような構成要素が全く入っていない。だから教員は従来型の教育に固執してはならないし、博物館などの外部連携も有機的に機能していなければ、単なる「一過性のイベント」に過ぎない。これらは原則の確立→リテラシーの普及→具体的な実践プログラムといった形で教育体系が構築されていないことが原因であるように思われる。ただし、小生は海洋学組とは異なり、それが「理科教育」であるか「社会教育」であるかは次等の問題と考える。

 そんな中で一番興味深かったのがマリンワールド海の中道の館長であるT氏の講演であった(どうでもいいが、風貌が某外相にそっくりだ)。彼は実物重視の水族館関係者にあって珍しく情報教育を重視している。情報教育を実施するためには「教員と博物館相互の交流」、「学校と博物館の相互の情報化」の2点が必要不可欠になる。なぜ同館ではそれが可能だったのかというと、デジタルデバイド(情報格差)解消政策の一環で九州総合通通局が無線LANの実証実験を行った際に同館が協力したことによる。

 http://www.icom.co.jp/products/network/introduction/ip/marine/index.html

 今では移動して動画送信が可能なFOMA端末を使った実験が行われている。実物教育では限界がある「人数の問題」、「学習の質量の平均化」、「展示の不確実性(生物の死亡や破損など)」の問題は情報教育では生じず、大人数が繰り返していつでも参加できるし、情報化による「学習成果のまとめ」や「情報発信」により活動内容を評価しやすいという利点がある。この点は内陸部などで移動に丸一日かかってしまうため、実体験が困難な内陸部の小学校においてはかなり有望であると考えられる。

 …こうして「よりよい日本の海洋教育」が醸成されるのである。

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