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zoom RSS WMUの役割と経営危機

<<   作成日時 : 2009/07/18 06:14   >>

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 大学は御貴族様のサロンじゃないぞ。

 スウェーデン南部のマルメという都市に海関連に特化した国際機関がある。これをWorld MaritimeUniversity(世界海事大学:通称WMU。)という。日本から派出されていた前任の教員が小生の師匠であり、その関係で一番下のWS関連の仕事をいただいている。ここへ行く時はコペンハーゲンへの直行便で行くかフランクフルト経由便で行くことにしている。コペンハーゲンからは車か電車で海峡大橋を渡ってスウェーデンに入国することになる。

 WMUは、途上国の海事人材育成を主目的にして1983年に国際海事機関(IMO)によって設立された。WMUには、世界各国から学生が集まって、海事法規政策、海洋安全・環境、教育訓練、海運管理、港湾管理などの専攻に別れて大学院修士課程(2年間)のコースで学んでいる。各国の海事に関する政府、企業・団体、海事・海洋関係大学で働いている人々が、高度の専門知識を身につけるためにWMUで学び、卒業後は、また自国に帰って海に関する仕事につく、という社会人課程のようなケースが多いのが特徴である。日本からも若干名が入学している。

 ところが現在のWMUは経営危機に面している。上記にあるようにWMUは、IMOの主導により設立されたものである。そのため、これまではWMU総長はIMOの事務局長の後任ポストとして存在してきたが、財務面ではほとんど支援を行ってこなかった。そのため、少数の大口支援者により財政面を支えていることになる(学費収入などあってないようなもの)。これは大口支援者が少しでも抜けると即座に経営の危機を招くことを意味する。それが実際に発生した。

 何とノルウェーが2007年に遡って奨学金支出を撤回し、さらにこれにWMUが存在するスウェーデン政府までもが同調する動きを見せたので、財政状態が極度に悪化してしまい、奨学金の裏付けが取れずに大学での独自奨学生の募集が出来なくなり、結果として入学生の減少を招いてしまった。撤回理由として現行の経営体制(=理事会および執行会議)に不満があると言うのだが、この意見には同調してしまう。

 なぜなら欧州大学協会からも指摘を受けていることではあるが、大学の規模に比して理事数が異様に多く(WMU憲章での規定では上限70名、現在40名が在任)、しかもそのほとんどがIMOでの各国の代表であり、スポンサー大口拠出者や船主協会などの業界団体、地元からの選出者はほとんど居らず、その上、現理事が大学の経営に熟知しているとは到底言いがたい状況である。「海事教育研究を行う大学の経営に責任を持って当たれる人を選任せよ」という指摘は放漫に近い経営状態を鑑みれば至極当然であろう。

 …気になるのは大学に求められているニーズが異なってきているはずなのに、そっちにはあまり話の方向が向いていないように見えるのはどうしたものか。

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