海を往く者

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zoom RSS 専門用語の定義と用法2

<<   作成日時 : 2009/06/24 02:55   >>

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 今回は「乗船実習」w

 同じ用語なのだが、工学(航海・機関・造船)系と理学・地学・農学(水産)系とではまったく別の意味になる。

 工学系の場合、免許取得や職能伝承的な意味合いが強く、専用の練習船や竣工前の海上試験などで操船や運用、船体設計に必要な知識を現場で習得することを意味する。ところが理学・地学・農学(水産)系の場合には対象となる研究のプラットホームという考え方が強く、乗船実習の内容も「船舶を用いて研究を行うための現場実習」というよりも「研究を行うための足場」として考えられている。そのため、観測やサンプリングを行い、船上で化学分析やデータ解析を行うことを乗船実習と呼んでいる。

 で、上記の何が問題なのかと言うと、彼ら(彼女ら)はその考え方のまま、研究者や観測技術員や運航技術者(または海技者)になる。各船の1年間の行動計画は事前に概ね定められているのだが、中には研究内容や目的から判断して他の海洋調査船や地先の漁船を借り出したほうが効果的ではないか?というような研究計画でさえ、自分の乗ったことの無い船を使いたがらずに、少ないシップタイムの取り合いを行うのである。

 海洋系研究者の悪癖として自分の専門に関わらない分野を等閑視することが多く、研究計画の競合や船の構造上、希望する機材の搭載が難しいことが判っても決して妥協しようとはしない。例えば、「機器のスペースを確保しました」だけではダメで、位置決めと機器の指定までしてくる(プロトン重力計などは一番揺れない場所に置かないと十分な精度が出せない)。実施利用検討委員会の席上ですら、物理屋が「配分が少ない」として、工学屋のシップタイムを横取りしようとしたので、「物理屋が道理を無視してどうする?」と詰問したらようやく黙った。もっとも最近は研究のことにしか興味の無い、別の意味で無反応な人間が居るが…

 それとは逆に運航側が「この程度の操船ならできるだろ?」というようなことを「船員としての経験」に基づいて「出来ない」と言下に言ってのけるのである(実は研究者よりも乗組員の方が改善要望の数は多い)。そのため、両者の中間に立たされた造船屋(または運航・補修整備)は両者の言っている環境を想定というか頭の中で十分理解して構築できずに、とにかく仕事を始めてしまう。

 ところが上記の行為が両者からの不満のタネになってしまい、後で再度の改修をする羽目になる(例えば、海洋調査船は電線のやたら多い船で工数もそれだけかかるのだが、タンカーなどと同じように造ってしまうので、最後まで掃除しようとしない。電気屋としては許し難いw)。特に建造時や改造時には全部の意見を取りまとめて取捨選択しなくてはいけない。あー、めんどくさめんどくさめんどくさ。

 …だから最初の海洋教育って重要なんですわ。

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